takashiの独り言

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2017年3月19日 の事故についての主観的論考①

残念ながら、3月19日の15:45頃 茨城県桜川市の滑空場付近でハンググライダーの墜落事故が発生し、パイロットのNさんは搬送先の病院で死亡が確認されました。Nさんのご冥福を心よりお祈りいたします。

当日はハンググライダーの競技会、板敷スプリングフライトの3日目でした。本流の風は北西でしたが、南西向きの板敷のテイクオフ場にはサーマルブローの風が入り、この日受付をした61名の選手全員がテイクオフしています。
タスクは TO→真家2km→国民宿舎2km→五叉路→益子駅→下館1km→桜川滑空場 の総距離63km
コンディションは良くも悪くも春の激しいサーマルコンディションで砂間の最高高度は2300m、3秒平均の最大上昇率は8.3m/sでした。選手の約半数にあたる29名がゴールしました。ただ、選手の多くがコース上の何処かで発達した雲による雪、雨に遭遇しています。
速い選手は14:20〜15:00くらいにゴールしていて、15:15くらいまでは桜川滑空場の南1kmの河川敷は西から北西の風が1〜2m/sくらいでハンググライダーが着陸する上で問題ないように思われました。Nさんは15:07にゴールラインを通過しているので、そのまま高度を落として着陸していればよかったのですが、ゴールしてからサーマルにヒットして1800mくらいまで上昇したようです。これは上級パイロットであれば、よくやることで、サーマルが出ている着陸場は着陸しづらいので着陸場付近でサーマルが出ている時は上げて上空で待機するのは不思議ではありません。
15:30前後から次第に風が強まり風向もはっきり西風になりました。ゴールの河川敷は南北に長かったので真西の風は降り辛くなりますが、河川敷自体は広かったので、まだ降りることは可能だったと思います。外村さんと名草君はこの頃、河川敷にランディングしています。おそらくNさんは上空からこの2人のランディングをチェックしていたと思います。早めにゴールした選手達も一時の興奮は収まり、風が強まり、降りにくくなってきたことからまだ上空にいる選手が気になりだします。
次に降りてくるのがNさんだとはっきりわかる高度になってNさんが最後の河川敷チェックをする頃、河川敷を10m/s以上の南西の突風が襲います。車に積んだ棒状のハングが飛ばされ、風を背にして広がっていたハングはパイロットが必死で抑えても、引きづられて動いていきます。今、ここに降りてきたらタダでは済まない、と誰もが思い、Nさんに身振り手振り、地声で広い東側の田んぼに行くように伝えます。Nさんもさすがに河川敷に降りることは諦め、東側の田んぼに降りる為に右にターンして東を向きました。その直後、激しい乱気流がNさんを襲いました。イメージでは先ほどの突風が河川敷の土手から上昇し、Nさんのグライダーを後ろから、ぶん殴ったように見えました。荒れたサーマルとかダストデビルという言葉では足りない程の乱気流でグライダーは激しいピッチとロールで暴れ、Nさんはコントロールバーから投げ出され、機体のフレームにぶつかったように見えました。推測ですが、この時Nさんは気を失ってしまったのではないか、と思います。
グライダーは前転し、木の葉のような動きでダイブに入り、自由落下に近い形で墜落。接地の瞬間は私からは見えませんでした。

その後、懸命の救命活動を行いましたが、残念ながらNさんの命を繋ぎ止めることはできませんでした。
長くなってしまったので、この事故をこれからの我々のフライト活動にどう活かしていくべきかは、近いうちに次の記事に書きます。


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by taka_sunama | 2017-03-23 14:51 | technic | Comments(0)
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